八鶴湖と桜と学生服に昭和を少し感じながら。

今年で二度目、八鶴湖の桜を写真に撮る為に出向いたのは。
でも、八鶴湖に桜の時期に初めて訪れたのはもう十年も前だろうか?長女が高校に入学するよりも前だったと思う。
その頃は八鶴湖の歴史も知らずに居たし、今ではずいぶんお世話になっている八鶴亭も、ただこの場所に旧い建物があるのだなと思うだけだった。
その後、地元の人達とのお付き合いも始まって、今は八鶴湖の数十年前の桜祭の写真もスキャニングして持っている。

花祭り 昭和34年、4、1

この写真は以前にこのブログに投稿した初出の写真と同じ方が撮影したもので、いつかはちゃんとした記録として、どこかに発表するものだと思っているのだが、今のところは適切な機会を得ていない。
しかし、奇麗な和服の女性と桜とお酒とにやけたおじさん。なかなか良い写真では無いかと。

この他にも当時は花祭りパレードと称して四月十五日にお祭りをしていたようだ。

 

さて今年の八鶴湖の桜なのだけが早くに春が来ると世間が開花に色めき立ったのを他所に、気温は上がったり下がったりを繰り返し結局桜が満開になったのは例年通り四月の初旬となった。
高校に入学したばかりの学生たちをお祝いするかのように暖かくなった気温とソメイヨシノの柔らかなピンクが心地よい。

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この写真はまるで昭和の映画の一コマのようで僕は好きだ。
恐れ多いが映画監督の小津安二郎を想像しながらシャッターを切った。
あの白黒写真の頃の映画は心地よいリズムを持っていると思う。学生服というものにも、また一つの何かご意見のようなものがある事も多少は承知しているが、こんな景色を見ると学生服って良いなと思ってしまうのは、きっと小津映画の時代の印象からのような気もする。

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こちらは女学生と桜。(女学生が古い?なんとなく気分を出して。。)
足早に通り過ぎて行くのはカメラに気が付いたからだろうか。

桜祭りの頃の八鶴湖は人が多い。きっと一年の中で最も人出が多い時期となる。でもそれは賑やかという程度のものであり、喧噪とは違うその様子は対して苦にもなら無いし却って微笑ましいくらいのものなのだ。が、こうして人が多く見えるとつい人の居ない場所を探してみたくなる。脇道はいつも僕にとって魅力的なのだ。とは言ってもこの日はこの後に用事があるので近場の脇道を選んでみた。

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八鶴湖から逸れる事、わずか100m程度だろうか。(苦笑
池に隣接する公園の裏にはこんな素敵な桜の道があった。できればブルーの金網が無ければと、できれば道路を舗装をしてないければと思うのは、そこに生活をしていない人間の勝手な思いなのだろうな。柔らかな桜の花と公園から聞こえる子供達の声が良い時間を作っていた。

見上げてみれば、あー昔は良くこうして木の写真を撮っていたなという久しぶりの構図。

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とにかく日本の昔の芸術が好きだった、あの頃を思い出す。

今年の桜でした。

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